受け継がれる伝統 古き良き和婚のいろは

近年、改めて人気を集めている「和婚」。
日本ならではの結婚式の歴史や背景を知ることで、受け継がれるその魅力が分かるはず!

日本の結婚式の歴史

バリエーションの幅が人気のヒミツ 自由に和の要素を取り入れて

和婚を選ぶカップルが増える昨今。和といっても多彩なスタイルが存在する。
「白無垢で厳粛な神前式を挙げたり、お色直しで和装を楽しんだり、デザートビュッフェに和菓子を取り入れるなど、近年の和婚はバリエーション豊か。背景には、日常で着物を着る機会が少ないこと、結婚をする年齢が高くなり厳かな誓いを好む方が増えていることなど、さまざまな理由があります。特に神前式は、家族の絆を重んじる方々に人気、という印象がありますね」(ひぐちまりさん・以下略)。
 また、挙式と披露宴のバランスを考える人も多い。
「友人を多く招いてアットホームに過ごす披露宴が増えているため、厳格な神前式を行うことでメリハリが付きます」。

お話を伺ったのは

結婚ジャーナリスト

ひぐちまりさん

ウエディングプロデュースの先駆者として、これまでに1万組以上の婚礼を手掛け、現在はテレビ、講演と幅広く活躍中。書籍監修は『ウエディングのマナーとコツ』(学習研究社)など多数。

結婚式がもっと大切に思える 日本の結婚式の歴史

古代〜 鎌倉中期から

「万葉集」によると、この時代の結婚は男性が女性の元へ通う形が一般的だったよう。鎌倉中期を境に「婿取婚」に変わり、次第に「嫁取婚」が一般的に。
この時代の結婚式は、花嫁は輿(こし)に乗って婚家へ。白装束で過ごし、3日目に色の付いた装束に着替える「お色直し」が行われた。

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江戸時代〜 身分で決められた結婚庶民には決まった形なし

身分制度の確立など、秩序の維持に力が注がれた江戸時代。結婚は本人の意思でなく、仲人が取り持つように。嫁入りは白無垢で。儀礼の中心は三三九度の盃事、この後お色直しが行われ祝宴となり、夫婦固めの七献の盃事によって終了した。一方、庶民の結婚式には決まりがなく、多様なものだった。

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明治時代〜 皇太子殿下の婚礼で神前式が徐々に浸透

明治時代に入ると、キリスト教が禁制でなくなり、クリスチャンによるキリスト教式が行われるように。また、「神社で結婚式の儀式を」という後押しで、神前式が誕生したのがこの頃。明治33年5月、皇太子殿下(後の大正天皇)の御成婚が宮中の賢所で営まれたことで、神前式の関心が高まっていった。

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大正時代〜 ホテルや結婚式場でも神前式が行われるように

神前式が増え、自宅結婚が減少。関東大震災で「日比谷大神宮」が焼失し、隣接していた「帝国ホテル」で2神の御分霊を安置。ホテルの中で神前式を執り行うようになった。昭和6年には、東京都目黒に神殿を常設した「雅叙園」が完成。美容、写真、衣裳などの施設を整えた、総合結婚式場の先駆けに。

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昭和〜近年 キリスト教式人気から徐々に和婚へ回帰

高度成長期からバブル期に掛け、芸能人の結婚式がテレビ中継されるように。さらに、イギリスのチャールズ皇太子とダイアナ妃のロイヤルウエディングの放映が後押しとなり、キリスト教式が人気になる。1995年頃キリスト教式が神前式を上回ったが、2000年頃から和婚が人気となり、神前式も増加傾向へ。

神前式の式次第

神様への誓いで絆を結ぶ 厳粛な挙式「神前式」

神前式は、神社や神殿に祭られている神様へふたりの結婚の誓いを立てる挙式スタイル。
「親族中心に参加する神前式は、これまでふたりを応援してくれた家族や親族に感謝を伝え、これからも絆を大切にしたいと考えるおふたりから支持されています。また、神社での挙式の場合は、挙式後に初節句、七五三のお参り、初詣など、お付き合いを続けていけるのも良い点ですね」。
 神前式の式次第と意味を知ってさらに理解を深めれば、奥深い魅力に引かれるはずだ。

玉串拝礼(たまぐしはいれい)って?

玉串とは榊の小枝に四手(しで)を垂れ付けたもの。感謝と祈りの心を込めて神様に供える。まず、新郎新婦が玉串の根元を神前に向けてまつり、二礼二拍手一礼の作法で拝礼。その後、両家の代表が同じように神前へ玉串を捧げる。

親族盃の議(しんぞくはいのぎ)って?

両家の親族関係を固める儀式のこと。新郎新婦と親族の盃に巫女がお神酒(みき)を注いで回る。注ぎ終わったら、神職の発声により一同起立して盃を3 回で飲み干す。両家の絆をしっかりと結び付ける厳粛な儀式だ。

指輪交換(ゆびわこうかん)って?

巫女が三方(さんぽう)に載せて運んでくる指輪を受け取り、新郎から新婦の左手の薬指に、新婦から新郎の薬指にはめる。もとは神前式に入っていない儀式だったが、近年では行うことが多くなっている。

参進の儀(さんしんのぎ)って?

神社での神前式の際に、新郎新婦と列席者が、神職・巫女・雅楽などに誘導され拝殿へ進むこと。一般の参拝客からも祝福を受けるなど、神社ならではの魅力も。神前へ向かう前に手を洗い、口をすすいで清めるのが「手水の儀」。

誓詞奏上(せいしそうじょう)って?

新郎新婦が神前で結婚の誓いの詞を読み上げて、神様に末永いご加護をお祈りするもの。誓詞を新郎が読み、新婦は最後に自分の名前を読み上げる。読み終えたら神前に誓詞を供えて一礼。誓詞は神社で用意されている。

三献の儀(さんこんのぎ)って?

神前に供えたお神酒(みき)を巫女が三つ組みの盃に注ぎ執り行われる「三三九度」のこと。最初に新郎が三口で飲み、同じ盃で新婦が三口で飲むことで夫婦の契りを固める。「誓盃(せいはい)の儀」とも呼ばれる。

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