お医者さんに聞く、知っておきたいアレコレ 花嫁の保健室

今回のテーマ「子宮頸がん」

女性特有の病気「子宮頸がん」。名前は知っていても正しい知識をもっていなかったり、自分には関係のない病気だと思い込んでいませんか? 実は20代から30代の若い女性に急増している病気です。

こんな花嫁は要チェック

検診はカンタン。結婚前に「ブライダル検診」をおすすめします。

大切な人と結婚して幸せに暮らしたい。
子どもを産んで笑顔の絶えない家庭を築きたい――。花嫁の誰もが夢に描くあこがれの結婚生活。そんなささやかな夢をも脅かす、若い女性特有の「子宮頸がん」についてドクターにお話を伺いました。結婚を機に自分の健康を見つめ直してみましょう。

子宮頸がんとは、いったいどんな病気なのでしょうか?

子宮の入口付近の子宮頸部にできるがんです。ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因です。皮膚や粘膜の接触、つまり性交渉によって感染すると考えられています。ですから、性交経験のある女性なら誰にでも可能性のある病気です。実際に女性の約80%が一生に一度は感染していると報告があるほどありふれたウイルスで、ほとんどの場合は2年くらいで自然消滅してしまいますが、約0.15%の確率でがんになる場合があります。

若い女性に急増している病気と聞きますが本当でしょうか?

はい。近年では20代後半から30代の若い女性の発症率が急増しています。HPVウイルスに感染してからがんになるまで約7年から10年といわれています。若い女性の発症が増加傾向にあるのは、性交活動が活発な世代であるとともに、性交渉の低年齢化が進んでいるという現実も背景にあります。20代から30代の女性が発症するすべてのがんの中で第1位は子宮頸がん。40代になると乳がんがトップです。つまり、子宮頸がんは若い女性特有の病気といえます。

子宮頸がんにかかった場合の症状を教えてください。

初期の子宮頸がんは、全く症状がないことがほとんど。性交後に血がにじんだり、おりものの増加や月経時以外の不正出血など自覚症状が現れた時には、がんが進行していることも少なくありません。早期に見つかれば子宮の入口を削り取るだけで済みますが、進行すると子宮の摘出が必要になり、妊娠、出産の可能性を失い、女性にとって心身ともに大きな負担となります。

子宮頸がんを予防する方法はあるのでしょうか?

定期的な検診によってがんになる前に発見することができます。
子宮頸がん検診は全国の婦人科で受診ができ、検診そのものはわずか5分程度で終わります。
子宮頸部の粘膜を採取しますが痛みはほとんどありません。しかし、受診率は欧米では80%以上といわれますが、日本では20%程度と大変低いのが現状です。自分の健康を守ることが幸せな未来へと繋がります。やはり早期発見が大切です。怖がらないで20歳を過ぎたら2年に1度は検診を受けましょう。

子宮は卵巣や卵管などとともに骨盤の内側にあり、大きさはおよそ鶏の卵大。子宮がんは、子宮の入り口である頸部にできる「子宮頸がん」と、子宮の奥の子宮体部にできる「子宮体がん」の2つに分けられます。

子宮頸がんは、女性特有のがんの中では乳がんに次いで第2位を占めており、特に20代から30代の女性においては、発症するすべてのがんの中で第1位となっています。
「日本における20〜39歳の女性10万人あたりの各種がん発症率推移」国立がんセンターがん対策情報センター、人口動態統計(厚生労働大臣官房統計情報部)

予防3カ条

予防1
20歳を過ぎたら健康チェック。勇気を出して子宮頸がん検診を受けてみよう。
予防2
定期的な検診が大切。2年に1 度は受診して自分のカラダを自分で守ろう。
予防3
検診を受けて異常が無い状態なら、さらにワクチンを接種するとより効果的。

今月のドクター

鹿沼達哉先生

群馬県立がんセンター副院長(婦人科部長)
鹿沼達哉先生

プロフィール
群馬大学医学部付属病院准教授を経て2009年群馬県立がんセンター副院長・婦人科部長就任。日本産婦人科学会、日本婦人科腫瘍学会に所属。

※2009年度に厚生労働省が子宮頸がんワクチンを認証。中高生の女児を対象に公費助成が実施されている。
20代〜30代女性がワクチン接種した場合でも、今後の感染を予防する効果がある。

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